ピッツァの起源は遡るとメソポタミア地方で穀物を砕いたものに水を混ぜて焼いたところから、と言われています。
そこから古代エジプトに伝わり、発酵させて少し膨らみのあるピタのような形に進化しました。
そして古代ギリシアへ伝わり、発酵技術が進みドーム型の窯を使って焼きました。古代ギリシアの影響から、イタリアの薪窯は丸いドーム型になりました。
ローマ帝国時代には、ピッツァの原型はラテン語でピテア(皿の意味)と呼ばれました。当時古代ローマ人は、遠征に無駄な物をできるだけ省きたいと考え、道中の食料として皿の代わりにもなるピテアを焼いて旅に携帯しました。この頃モノピアット(一つのお皿で全ての栄養を摂る考え方)の概念が生まれたと言われています。
この辺りから現代のピッツァの兆しが見えてきたようです。
そこから時代を経てピテアは様々な進化を遂げ、17世紀にトマトやモッツァレラチーズが作られるようになり、今日のピッツァの形がナポリで完成しました。
少し前まで、ピッツァには腹持ちが良いことを求められていました。
1950年代、若きマルケジン氏はナポリ出身の同僚からピッツァの作り方を教わりました。その後兵役を経て、1972年イタリア・ヴェネト州のカオルレに“ピッツェリア
マルケジン”を開業しました。
その当時、ピッツァの生地は小麦粉とその他の材料を混ぜ合わせ短時間で発酵させる昔ながらのダイレクト製法で作られていました。冷蔵庫で生地をコントロールする考え方がない時代で、生地を作ったその日のうちに使い切ることが一般的な考え方でした。しかし時代は多種多様な考え方を持つようになり、食は腹持ちが良いというよりも栄養価やグルメ、食べやすさを追求されるようになりました。試行錯誤の中、彼はポーリッシュ製法(*1)をピッツァで用いることにしました。ピッツァをポーリッシュ製法で作るにはさまざまな条件が必要で、マルケジン氏は理想のピッツァの研究を重ね、さらにパドヴァの製粉会社モリノ・アグジャーロと共同開発を始めました。マルケジン氏はピッツァをモノピアットであるというコンセプトで、栄養バランスに優れ、消化が良く、軽い食感で、香ばしい生地ができるピッツァ粉の研究をしました。生地に不足しているタンパク質を、大豆の添加で補うことを考えました。
そして完成したのがピッツァ用小麦粉で、世界初のピッツァ専用粉となり、1988年特許を取得しました。その後、マエストロ・ガブリエレ・マルケジン氏のコンセプトはPIZZA VENETA(ヴェネトのピッツア)と呼ばれるようになり多くの人々に受け入れられました。そのコンセプトと共に多くの製粉会社からピッツァ専用粉が生産されるようになり、イタリア全土、そして世界中に定着しました。
1984年、マエストロはさらに世界で初めてのピッツァ職人養成学校「ピッツァ・ワールド」を設立し、数多くの職人たちを育てました。ナポリでもミラノでも、そしてピッツァを愛する全ての国でマエストロのコンセプトPIZZA VENETAは深く関わっています。
その功績を認められたマエストロ・ガブリエレ・マルケジン氏はカヴァリエーレ勲章を受賞しました。
*1・・・小麦粉に小麦粉の同量の水、酵母を加え、一晩以上寝かせて熟成させた発酵種を作り、新しく作った生地の中にその発酵種を加えてパンを作る製法。芳醇な香りともっちりとした食感のパンを作ることができる。
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